レポート 見守る保育の今とその後を語る会 ~いつか巣立っていく子どもたちに何をのこしたいか~

見守る子育ての過去の開催報告です。

会の活動内容や雰囲気を感じていてだきたいと思います。

 

 

見守る保育の今とその後を語る会

~いつか巣立っていく子どもたちに何をのこしたいか~ を終えて。

 

2018年11月18日 10時から12時 新宿せいが子ども園にて。

参加者 約50名+せいが子ども園スタッフ+保護者スタッフ

 

見守る保育について、保育関係者、現役保護者、小学生以上の保護者、地域の方など、みんなで話をしてみたい!そんな思いからはじまったこの会も、大盛況のうちに終わりました。

子どもたちは隣の遊びスペースで遊びながら、大人たちは皆さんのお話を聞き学びあいながら、充実した2時間となりました。

 

では、当日のお話からほんの一部ですが、ご紹介します。

 

◆藤森先生のお話より◆

 □見守る保育は本人が気が付かないところをやっている。目に見えないことが多く難しい。

 □幼児教育は将来の脳の発達に影響する。ヘックマンの研究では、就学前教育で一番伸びたのは「意欲」だった。将来の幸せ、成績、健康に影響する。

 □イギリスの研究では、保育者のかかわりが脳を成長させると言われている。

①保育者と子どものかかわりが、温かく、応答的である。

見守る保育では、先生が点々と配置されていて、子どもがいつでも先生に頼める環境づくりをしている。子どもが自分でやるときは手をださない。

②ともに考え深め続けること。

答えを教えるだけなく、共感すること、一緒に考えて一緒に深めていくこと。

□いろんな遊びをさせようとするが、一つの遊びを深めたほうがいろいろなことをしている場合がある。

ブロックばかりしたがる子どもをよくみていたら、実はブロックで科学を深めていた。

学童保育も重要である。働く親のためでなく子どもにとって必要なもの。社会の一員になるために子ども集団で過ごす教育の場。creativityとsocial skills

□AI時代。この先多くの職業がなくなる世の中になってもcreativityとsocial skillsは残ると言われている。

 

◆会場より◆

□せいが卒園中学生の感想

・小学校では、先生の言うことを聞かなくてはいけないので、窮屈だった。中学校になったら、自分の思いを説明できるようになったり、聞いてもらえるようになったので辛さが減った。

・納得できないことでも、「上の人の言うことを聞かなければいけない」と言われるのに違和感があった。

・なぜみんなと同じことをしなくてはいけないのかと思った。

・せいがのかかわりを通して、一人ひとりの個性を尊重することができた。

 

 

□せいがの子は落ち着きがない?

必要な話は静かに聞く。子どもが「静かにしよう」という。

つまらないときは「つまらない」という。

 

□卒園児保護者から子どもたちの様子

・話を聞いてくれる大人が好き。自分のことを聞いてもらって大事にしてもらったということが大事だと思う。

 ・子ども同士が個を認めることができている。例えば、登校できない子どもを子どもたちが認めていて、たまに登校してきたときに拒否的ではなく、歓迎的。

 ・いまだに落ち着かないわが子。卒園しても親子でせいがの先生に話をきいてもらいにいき、ほっとする。

 ・不登校気味の子どもを信じて任せてみたら、自分で家族のために料理を作るなど変わっていった。

 

□家庭でできる見守る保育は?

  毎日忙しくじっくり子どもにつきあえない。どうしたらいい?

 (藤森先生より)

  子どもは自分の優先順位を気にしている。

  「あなたがお父さん、お母さんにとって一番大事」と伝える。そのあと、「今は忙しいからごめんね」と伝える。まずは共感から入り、気持ちを汲むこと。

 

◆中山副園長より◆

子育てをしてきた保護者として、見守る保育で自信をもって子育てできる。子どもの存在を丸ごと信じる子育ては、これからいろいろなことがある子どもの人生で、子ども自身が立ち直れる力がつく。

 【見守る保育の三省】

  子どもの存在を丸ごと信じただろうか。

  子どもに真心をもって接しただろうか。

  子どもを見守ることができただろうか。

 

◆感想より◆

□自分の育児を振り返ることが出来た。小学校のことも知れてよかった。

□保育士ですが、とても勉強になった。藤森先生の話が聞けて良かった。

□見守る保育は保護者の主体性も育てていると思う。このような会を保護者の提案で開催するのが素晴らしい。

□見守る保育の理念はすばらしいが実践が難しそうなので、時々思い出すために定期的にやってもらいたい。

□見守る保育の効果が学習成績ではなくその後の生き方についてだとすると、このような機会が効果測定に有効だと思う。

□見守る保育を子ども園の中だけでなく地域で実践できたらいいと思った。

 

「いつか育っていく子どもたちに何を残したいか。」

機会があったら、またみなさんといっしょに考えていきたいと思います。

どうもありがとうございました!

新宿せいが子ども園・落四小学区域の学童クラブを考える会